1. 24時間テレビ「愛は地球を救う」
2017/08/29/214124
日本テレビが企画したこの画期的なチャリティー番組は、1978年から始まった。今年で40年を迎える。
24時間テレビに織り込まれる各企画の中でもメインとなるのが、この24時間マラソンであろう。番組開始15回目から始まった企画である。
2. マラソンランナーの発表
例年マラソンランナーを務める方は、当日の数ヶ月前か1年前には発表された。
徐々にトレーニングが開始される。当初は
『大丈夫かなぁ?』と不安にさせるようなダメダメ振りである。
暑い日も寒い日も。
足が痙攣したり故障したりー。
私達は当日までの期間を、 ともに泣き笑いしながら過ごすのが常であった。
3. 当日の発表
今年は例年と趣向を違え、マラソンランナーの発表は、24時間テレビの当日となった。自然、当日を迎えるまでの私達の心の持ちようも、まるで違うものとなった。
「今年のマラソンランナーは誰なんだろう?」私達の興味はこの1点に集中した。
それはAKB48らの総選挙を彷彿とさせた。異様に熱を帯びていた。
「誰が ( センター ) になるのだろう?」
こういった命題は単純明解なだけに盛り上がり易いものだ。
その一方で私達は、たくさんの「?」や「不安」も抱えていた。
この酷暑の中で24時間走り抜くことは、ちょっとやそっとでできることではない。
「その為の心構えをいつするのだろうう?」
「その為の練習に真剣味は欠けないのだろうか?」
所詮私達は楽天的な生き物だ。
「あなたがランナーですよ!」と言われるまでは、何となくのんびりしてしまうものだ。まな板の上の鯉になるまではー。
このことは、私や、あなたの経験が教えてくれている。
4. ブルゾンちえみ
彼女は普段は「ブルゾンちえみ with B」として活躍している芸人だ。只今、ブレイク中である。
そんな彼女は本番1時間前にコーチから肩を叩かれ、本日の走者であることを告げられたそうである。もちろん彼女はひどく驚いたという。
そこで、ブルゾンちえみのスポーツ歴について調べてみた。
なになに?お父様は陸上の指導者であらせられる。
ちえみ自身長距離走者として、10年間陸上部に所属している。
ええっ!めちゃくちゃ大丈夫じゃん!← 安堵です。
5. たまたまだよね
もし彼女がランナーだということが、例年通り事前に発表されていたら、私達はこんなにも盛り上がらなかっただろう。むしろ逆だ。
彼女の長距離走者の経験を知り、ワクワク感が抑えられていたかもしれない。
24時間マラソンランナーはボロボロの涙ぐちゃぐちゃでなくちゃ。そんな思い込みが私達にはある。
トレーニング風景で、陸上部特有の確固たる走行フォームなどを見せ付けられたりしたもんなら、もうおしまいだ。
6. 重々承知
こんなにも厳しい大役をこなすのだもの。ブルゾンちえみには、もっと事前にきちんと伝えられていた、と見るのが当然だろう。
現にスタート時の彼女の体型は見事に絞り込まれ、陸上走者の雰囲気を漂わせていた。真剣に相当走り込んだ証拠である。
また、1時間前に告げられた時点で驚いてみせたのも良い。
舞台はテレビである。
ただ、この24時間テレビは、がちのチャリティー番組であることも、決して決して忘れてはならない。
丁寧に取材された弱者の踏ん張りを見て、私達は心の中にある何かを突き動かされ、募金活動を行う。
そういう意味合いを思うと、虚飾の匙加減を間違えるようなことはあってはならない、と改めて感じざるを得ないからだ。