1. 演技派揃い
「ひよっこ」が9月30日をもって終了した。最終回の視聴率は後日発表されるが、最終回前日は24.4%をマークしている。
この人気を支えた要因は様々ある。しかしその1つとして、若手からベテランまで演技派が揃い、番組の人気に後押しされて、その演技力を惜しみなく発揮できたという点が挙げられよう。
2. 不安要素
演技派揃いの中で、未熟さをさらけ出す結果になったのは、「すずふり亭」の娘 由香 を演じた島崎遥香である。由香が出てくる度に視聴者のテンションは落ちた。喜んだのは元AKBでファンだった方々くらいだ。← これを苦言と言ふ。
由香がバーで自分史を語った回など、
「冗長だ!」と不満の声が上がったほどだった。
な・ぜ・か?
① 由香の表情はワンパターンである。
② 演技は大袈裟にすりゃいいと思っている。
③ 昭和の演技の中で、1人だけ平成のまま。
主要3要素を挙げるとしたら、これだ。← バッサリ!← 何の音〜?
3. 表情筋対決
一方で、女優として演技対決する時子 ( 佐久間由衣 ) と世津子 ( 菅野美穂 ) のシーンは興味深かった。この時点で既に時子は、ひよっこ全編の要所を盛り上げ大健闘していた。
女医に扮した時子「医院長のやり方はもう時代遅れなんですっ!」真剣な時子の表情には迫力があった。
医院長に扮した世津子「んな、なんですってぇ!」
この時、菅野美穂はセリフを言った直後、口、目、眉の全てを動かしてリアクションしたのだ。
表情筋って、こんなに思うように動かせるものなの? 生まれつきのもの? 小学生の頃、耳をピクピク動かせる子がいたじゃない?
いやいや、これぞ演技派、修練の賜物なのだ。菅野美穂がご家庭で堺雅人と話している時なんて、表情筋の稼働率、凄いと思う。
このシーンで私は菅野の女優魂を見た。菅野の圧勝である。
4. 表情筋でしか演技ができなかった人
谷田部家のじっちゃんを演じた古谷一行は、無言でYES、NO、どうすべ、を伝えなければならなかった。
じっちゃんが無言の時間の間、私達は軽い緊張を伴いながらじっちゃんの表情に見入る。じっちゃんの目。鼻。何か言いそうで言わなそうな口。ああ〜、15分間このままでも耐えられる〜。← 冗談。
古谷一行くらいの熟練の俳優ともなると、余裕でこれをやってのける ( 拍手!)。
古谷一行は、主に目と鼻の穴とで演技をする俳優である(笑)