1. 欅坂46の個性
昭和の時代に女子クラスというのがあった。理系が得意なのは、どういう訳か男子生徒に多い。理系と文系でクラスを形成すると、かたや男子クラスかたや女子クラスとなってしまうのであった。その女子クラスを彷彿とさせるような女性アイドルグループが、次々に誕生している。
クラスの中のメンバー全員を覚えるのにさえ時間がかかるのに、だ。
一方で、それぞれのクラス毎に個性を持たせなければならない。
ー というわけで、欅坂46 クラスはやけにおどろおどろしいクラスカラーを持つことになった。
2. 月曜日の朝、スカートを切られた
欅坂46が2016年に発表した楽曲の題名が「月曜日の朝、スカートを切られた」である。これは通学途中の電車の中での出来事であろう。…… などと冷静に語っている場合ではない。
犯罪である。
犯人はナイフを持っている。
スカートを切るという行為は、1種の性犯罪である。
歌は気だるげに始まる。
大人の口にする綺麗ごと、主に学校の先生から言われるそれらを列挙して、その虚しさを歌う。ー と突然サビに入り、
「月曜日の朝、スカートを切られた 通学電車の誰かにやられたんだろう どこかの暗闇でストレス溜め込んで 憂さ晴らしか 私は悲鳴なんか上げない」
と来る。
いきなり犯罪発生である。
前半部の空虚さとの内容の繋がりを見せない。
いきなりブチっと切れて、スカートも切られる。
3. 貞子ダンス
貞子ダンス by 欅坂46
おどろおどろしいのは歌詞ばかりではない。そのダンスもそうだ。
欅坂46全員が全員、髪をだらんと垂らす …… まるで井戸から這い出て来た貞子じゃないか。ゆっくり顔を上げる。顔にかかる髪はそのままに気味の悪い歌詞を口ずさみ続ける。
それぞれが違う制服を着ているのも大いに示唆的だ。こんなに数知れぬ女生徒が犯罪に遭っているんだよ。
月曜日の朝からだよ。
1週間の延べ件数を挙げれば、どの位の数になるんだ。
不気味だ。
4. シュチュエーションの変化
向かって右手前の黒い影が、男の背中にも見え始め ……
PVを視聴している内に、次第に犯罪の舞台は電車内だけに留まらないような印象を与え始める。
暗い夜道。
雨。水溜りに映る恐怖の表情。
古看板を前に絶叫する顔。
「待ってて」と囁かれて怯える顔。
何なんだ!これは!
「どこかの暗闇でストレス溜め込んで 憂さ晴らしか」って、どういうことなんだ?
我々は、猟奇的な何かを感じ取らざるを得ない。タブーへの入り口。そこには、強い、最悪の嫌悪感しかない。
5. ナチスの衣装
ナチスのパロディ化は不謹慎という言葉を越える。世界的な視野に立てばそれは狂気である
欅坂46は2016年10月22日、横浜アリーナでハロウィーンに合わせたライブイベントに出演。その際、ナチス・ドイツでも使われたクロワシに似た紋章を付けた黒い帽子、幅広い襟の黒のマントで登場した。
この出来事は世界中に衝撃を与え、秋元康氏はユダヤ人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)」への謝罪を行うことになる。
私達が、ナチスによる大量殺戮を何故こんなにも忌み嫌うのか、その理由の1つには、その殺戮の仕方に多分に猟奇性が含まれているからだと考える。人体実験、人間の油で作られた石鹸、髪で編まれた籠。そのような猟奇の証拠の前で、私達は言葉を失う。嫌悪の固まりとなってだ。
6. やってはいけないこと
プロデューサーの秋元康 氏
欅坂46に、少し暗いクラスカラーを持たせたい。それは理解できる。
それもやや衝撃的なものにしたい。狙いも分かる。
しかし、そこに猟奇性を帯びたものを持って来てはダメだ。
嫌悪を通り越した、生命に関わる拒否感を私達は感じたくない。
また、何回もPVを視聴することによって、猟奇的なものへの抵抗感が薄らぐことなど、決してあってはならないからだ。
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