1. アスリート
紀平梨花のFSの滑りを繰り返し見ている。
"Beautiful Stone" に乗せて『地球の創造』を表現する紀平は、
太古の人々を彷彿とさせるような振り付けを随所に挿入しながら
腕の角度を生かし
指の先まで神経を行き届かせ、
芸術的な滑りを見せる。
しかしそこに私は
一貫してアスリートとしての紀平を併せ見る。
体幹が透けて見えるような
しっかりとした姿勢、
崩れることのないバランス。
1つ1つの難しいジャンプやステップを、
体操でいうD難度、E難度、でもこなすような感じ
…… と言ったら語弊があるだろうか。
私はここに
アスリート型スケーターの誕生を見る。
最早「ミスをする」「ミスをしない」という感覚ではない。
E難度を「こなす」という感覚なのである。
この感覚を観衆たちが持ち
紀平自身も持つ
これが紀平に安定感を感じる理由の1つである。
2. 体操
今までのフィギュアスケートは
ロシアを発祥の地とした為か、
競技でありながら、
バレエの影響をふんだんに受けて来た。
スケート選手らは、
表現力を磨くために、
実際バレエのレッスンに励むという事例はよくある。
ところが、体幹のしっかりとした紀平の演技を見ていると、
それはバレエよりも体操を連想させる。
バレエと体操、
どちらが優れているということではない。
ただ、体操のエレガンスを
彷彿とさせる紀平の演技は
やはり力強く安定感を感じさせるのだ。
3. 超一流選手
これは相当手厳しい要求だが、
世界1と認められ、更に超一流選手と言える人物は
原則的に大きな怪我をしない。
世界の最高峰の技術を
連日ギリギリのところで練習しながら怪我をも防げ、というのは
非常に無理な注文であり、不可能に近いかもしれない。
だから、超一流なのである。
イチローは(加齢に伴う負担は別として)怪我をしない。
極端に節制を加えた彼の生活上、トレーニング上の努力が
そうさせたのだ。
私は最近、紀平梨花が、
試合前後の自らの筋肉の状態を
細くチェックしているという記事を目にした。
そうして、
筋肉の疲労の度合いを知り、
それに応じたマッサージを施していると。
その習慣を取り入れてから、
ジャンプを始めとする演技が安定してきたと。
紀平の自らの身体に対する認識の高さと
節制力の表れだ。
紀平は怪我をしない超一流選手の要素を既に持っている。
以上、
紀平梨花 16歳。
彼女の年齢を意識すると
それこそ驚異的な安定感を身に付けている。
それは上記3要素から成るものである。
安定していても揺らぐことはあるのか、
先はまだまだ長い乙女である。
世界中を湧き返らせた期待の乙女でもある。
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