西城秀樹の歌うバラードが聴衆を圧倒する『若き獅子たち』には、阿久悠の秀樹に対する熱き思いがふんだんに込められていた。
1. 『若き獅子たち』
『若き獅子たち』は、1976年9月5日にリリースされた西城秀樹の18枚目のシングルである。秀樹21歳。
更に同年11月25日、この年の集大成として、アルバム『若き獅子たち』も発売している。
そうしてこのアルバムも、全曲が作詞阿久悠、作曲・編曲三木たかしの作品となっている。← 秀樹沼にハマったお2人 …w
このアルバム制作がひと段落して、
阿久悠氏は秀樹と対談を持ち、次のように語っている。
「"男になる"ー ヘンな言葉だけどタイミングを逃すと、真の男になれないってことがあるんだよ。秀樹はいい時期だったな。」
僕はね、グレートデンという犬が"男"の理想のフォルムを持っていると思うんだ。筋肉質の厚い胸、ひとつのムダ肉のない胴、がっしりして長くて逞ましい脚。あれが"男"の理想だと思う。秀樹はグレートデンにフォルムとして近いんだ。」
「並の人間ならいざ知らず、選ばれた男は、それだけきつい宿命を背負っている。…… だから世間並みの楽しみを全て捨てなければならないんだ。世間並みの楽しみなんか求めて欲しくない。 …… 秀樹には、いくつになっても激しく動くステージをやってほしいんだよ。」(西城秀樹写真集 HIDEKI forever 』より抜粋)
阿久悠氏は、
自分の理想の犬種"グレートデン"と秀樹とを重ねて見ている。
まずは秀樹の有する体躯がそう。
そうして"グレートデン"が生まれつきの種であるように
(差別的な意味ではなく)秀樹が"選ばれた男"という生まれつきの種であること。
だからこそ、
阿久悠氏も秀樹をうまく成長させたかったし、
秀樹自身にも"グレートデン = 選ばれた男"としての自覚を持って精進して欲しい、とー。
…… @(//_//)@ って、この対談の内容が、そっくりそのまま『若き獅子たち』になって返って来ていたのであった。← 怖いわ〜
2. 男と女
さあ、
ストリングス(ポップスにクラシックな雰囲気を添える為に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、などの弦楽器を加えた演奏者チームのこと)に、混声合唱団も控え、
重層的でスケールの大きな音に乗って秀樹が歌い出し … 。
Aメロ
「太よーうーに向かいー 歩ーいーてーる限りー
影を・踏むこーとはーないー そう信じて生きていーるー
あなーたーにーもそれをー 分かーらーせーたいけどー
今は・なんにーもー言ーわずー ただ微笑み残ーすだーけー」
AメロからBメロにかけての内容は、
男女の遣り取りとなっている。
青字は名言、秀樹の生き方そのもの。
赤字は秀樹からあなたへの心中語である。
これを語りかけるように歌唱し、
無言で優しく微笑むだけで去って行く秀樹 …
という何気ない喪失感を味わうことになるのだ。
これが2番Aメロになると、
更に切ない遣り取りへと進むのだよ。
「愛ーだけーにー生きてー 欲しーいーのーとすがるー
黒い・瞳のあーなたー もう何にも言わーないーでー」
私の瞳も黒いですけれどね〜 ← @(//_//)@ 余計に何にも言わないで〜♩
実際に話しかけているように
気持ちを込めて、思いを伝えて来る。
《話しかけ歌唱》に
胸がズキズキと痛む。
※1 口づけによって言葉を封じられた《青年3部作》は、
※2 今度は優しい制止によって言葉を封じられ、
秀樹はひとり前進して行く。← 実際はファン達を置いていかないよ〜。決意だよ。決意表明!
※1 … 『君よ抱かれて熱くなれ』
※2 … 本作『若き獅子たち』
Bメロ
「甘い口づけだーけーにー 溺れそうないーまー
僕は振ーりー切ってー さーらーばーあーなーたー」
「僕は振ーりー切ってー」が、
対談にて阿久悠氏が秀樹に語った内容を思い起こさせるね。
「さーらーばーあーなーたー」
… で秀樹ったら、時には小さく手を振るしぐさをするんだよ。← ヾ(//_//) ← つられるな〜!
でも何だか爽やかだから困っちゃう。
3. サビ
サビではマーチのリズムを刻むのだ。歌唱ものでは非常に珍しい。
しかしこれが、
大胆で効果的かつ印象的で、
Aメロ、Bメロの歌詞の切なさを、そのリズムで昇華し前向きなものに変えている。
この曲の最大の持ち味と言える。
「風ーよーなぶるなー 獅子の・たーて髪をー
涙ーを飾れなーいー とーきでー・あーれーばー
闇ーよー隠すなー 獅子のー・たーて髪をー
若さーを誇らしくー 思うーとーきーにー」
ここではお決まりの風が吹いて来て
髪をなびかせながら
胸を大きく開いて歌い上げる秀樹の目が
キラキラとしているのだ。
20代に突入し、
優れたスタッフと
阿久 & 三木 コンビを迎え、
自分の中の音楽やパフォーマンスが更なる広がりを見せる。
そういう意気込みや高揚感が
秀樹の表情を輝かせ、上を向かせる。
大サビ
「かーーぜーーよーーーー」
では、得意のつぶし声も入れて
調を上げ、
自身の声の響きを確かめながら
更に更に力強く歌い上げる。
4. 青年3部作(阿久悠3部作)
まずは『君よ抱かれて熱くなれ』で、インパクトを与え、← (//_//) 題名からしてインパクト大だよ〜
続く『ジャガー』では、青少年期に形成された西城秀樹への畏敬の念を示し、
おしまいの『若き獅子たち』で決意表明。
阿久悠氏との対談を当てはめて行くと
こんな感じかな @(//_//)@? ← 猿🐵くん、ガラスで手を切ったので弱気? ← @(//_//)@ バラスな〜… ジタバタ…
5. バラード
これで、秀樹のシングル曲にバラードが加わった訳だ。
バラードは最も聴かせる楽曲である。
基本的に魅力的な声の持ち主であること。
テンポがスローなので、
ややもすると単調に陥り易い。
そこで歌詞に感情移入し、
豊かな声色、歌唱により曲に表情を作って行かなければならない。
また歌い上げる部分での声量も必要とされる。
バラードもきっちりと聴かせて来る秀樹は
やはり"選ばれた男"なのである。
@(//_//)@ それでは行きましょう … いや、笑顔で去って行かないで ← 若獅子トラウマ w
🔻@(//_//)@ ⤵︎ こちらは、上記観点に基づき、松田聖子ちゃんのバラードの聞き比べを行なった記事でございます〜
→★【21歳松田聖子】vs【30歳松田聖子】『ガラスの林檎』の味わい - お喋りなNana 生活や芸能
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