祖父が倒れた朝、
私は寝坊をしていました。
トイレから、
ガッという尋常ではない硬い音が聞こえ、
私は飛び起きました。
バッと一目
足を変な風に折り曲げて倒れ
うわ言を言う祖父。
一瞬にして
ことの重大さを飲み込みました。
119番の電話に答えながら
『なんでこんなに色々聞くんだろう?』と思いながら
祖父を励まします。
救急車が到着する頃には
寒いだろう寒いだろうと
祖父にぴったり身体を寄せて、祖父を抱きしめていました。
救急車に乗せられながら、
祖父は軽い鼾をかき始め、
『脳梗塞か脳溢血かは、やはり鼾をかくのだな。』と
ルール通りの反応に、只そう思ったのでした。
あれから9ヶ月が経ち、
きょうは祖父と、認知症の祖母まで連れて、
祖父の心臓の検査の為に
大きな病院へ行って来ました。
3時間もペチャクチャ喋れたので、
祖父は嬉しそうでした。
「(夢の中で)◯◯さんが2階にいて賞状をあげるから上って来いと言うんだよ。」と
祖父が言います。私が怖い顔で、
「上っちゃ駄目よ。『賞状はまだ要りません。』って言うのよ。」と言うと、
祖母もハッと気付いて
「『もっと後で。』って言いなよ。」と念を押します。
採血の時には、
私が、きゃあ、こういうの駄目、と言うや、
私は大丈夫、と祖母。
「アルコール消毒は大丈夫ですか?」職務に忠実な看護師さん。
「アルコール消毒はね、大丈夫。飲むのは駄目。(祖父は下戸です。)」
不意を突かれて採血室が大笑いになっちゃう。
明日が出勤で、
同時に壁の修理にも人が入るので、
夜、またも片付けをしています。
祖父の参加していた様々な行事の資料、
やっと見つかったペースメーカーカード。
何で私はこんな役回りなのかなぁ…なんて
涙を大粒にしてボタンボタン落としながら。
家族は信頼しきって私に託すけれど、
けれど?
「けれど」は言えない状況になり
いい歳の大人なんだから、
こんなの当たり前にやるんだよね。
みんな大変、みんな大変
と思い直して
おやすみなさい★
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